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CROSS TALK04 “DEMYLEE”  Demy Lee

CROSS TALK04 “DEMYLEE” Demy Lee

Ron Herman Journal

Issue 68Posted on May 09.2023

ロンハーマンにかかわる方を迎え、さまざまなお話をうかがいます。第4回目のゲストは「DEMYLEE」のデザイナーDemy Lee(デミー・リー)さん。今シーズン、ロンハーマンに登場するカプセルコレクション「Play with Colors」をリリースするデミーさんが来日。ロンハーマン・ウィメンズバイヤーの篠崎茜(しのざきあかね)が、クロストークの相手を務めます。


色と遊び、服を楽しむ「Play with Colors」


篠崎:今日は久しぶりに日本でお会いできてうれしいです。デミーと一緒に仕事をするようになって、もう14年になりますよね。初めてお会いしたのはニューヨークのデミーのスタジオでした。


デミー:初めて会った時のことは忘れられません。確か、茜は初めての仕事だったでしょ、しかも海外での。まだ大学を卒業したばかりだったのかしら。その時はデニムのショーツ姿で、とてもかわいかったですね。


篠崎:よく覚えていますね。そう、デニムのショーツにブーツでした。当時はみんなそんなファッションが好きでしたから。


デミー:いい思い出ですね。その時にあなたたちが着ていたスタイルは、私のデザインに少なからず影響を及ぼしたのよ。デニムのドレスにスニーカーは、かわいいだけでなくシックだった。



ニットブランド「DEMYLEE」をニューヨークから発信するデザイナーDemy Lee(デミー・リー)さん。ロンハーマンでエクスクルーシブで展開するカプセルコレクション「Play with Colors」のカットソーを着て登場


篠崎:それはうれしいですね。私もデミーのニューヨークらしい都会的な雰囲気とスマートな仕事ぶりにあこがれました。やはり、デザイナーとして、ニューヨークという街から影響を受けることもあるのでしょうね。


デミー:もちろんです。ニューヨークという街には色があふれている、多様性にあふれている。人も街もとても刺激的ですから、いろいろとインスパイアされました。私のチームも多様性にあふれています。私は韓国出身ですし他のデザイナーたちはアメリカ国内のさまざまな場所から集まってきていて、性格も本当に多様です。


篠崎:こうやって振り返ってみると、本当に長くお付き合いをさせていただいています。


デミー:それは何といっても人間関係です。私にとってはそれが一番大切なことですから。ロンハーマンの皆さんとはとても良い関係を保つことができています。だからこんなに長く続けることができていると思います。



ウィメンズバイヤーとして14年にわたりデミーさんと親交がある篠崎茜(しのざきあかね)。「Play with Colors」でコーディネートしてクロストークに。「『DEMYLEE』のニットはシンプルながらラグジュアリー。ニューヨークらしい都会的なセンスが感じられますね」


篠崎:さて、今シーズン、カットソーラインのカプセルコレクションをエクスクルーシブで取り組むことになりました。タイトルは「Play with Colors」ですが、コンセプトを教えていただけますか。


デミー: 楽で動きやすくて着心地が良いこと。遊び心があって、気軽に毎日着ることができる。それがコンセプトです。すごくシンプルなデザインなので、それを着る方々が自由に遊んでほしいです。着方のルールなんてありませんから。色の組み合わせも自由でいいんです。合うとか合わないではなくて、着る人が「面白いな」と思える、そんな個々の感性で遊びながら着てほしいですね。


篠崎:「Play with Colors」はとても素敵な言葉です。5色での展開ですが、どの色も本当に素晴らしいと思います。どのようにして、このような色合いを思いついたのですか。


デミー:それはペインティング。つまり絵を描くことをイメージしているのです。初めから色を決めるイメージではなく、描いているうちにこのような色にたどりついたのです。



「Play with Colors」のカットソーラインを前に、ファッション話で盛り上がる二人。15歳まで韓国で育ったデミーさんは、日本のティーン向けファッション誌のファンだったそう。「私の家族はみんなファッション好き。姉が3人いたので、よくいろいろなファッションの話をしました」


篠崎:この「Play with Colors」を通して、お客様へ伝えたいことはありますか。


デミー:服を選ぶときに、私たちは「このトップスとボトムは色の組み合わせがいまいちだな」とか「この服の色は私の雰囲気に合ってないかも」などと考えがちです。今回はそういうことは忘れて、鏡を見たときに「面白い」と思って着てもらいたいです。とにかく遊んでほしいと思っています。私自身こんな着方は今までしていませんでしたが、着てみたら「いいじゃない」と楽しめる自分がいました。


篠崎:色の組み合わせだけでなくて、服のラインもとても素敵です。それが全部一緒になってさらに魅力的になっているのですね。


デミー:とにかく固定観念は捨てて、着ているものの新しい面白さを見つけたときには「やったね!」と思って喜んでいただければ。



サステナブルな服づくりにも力を入れているデミーさん。「縫製による廃棄物を減らすことを常に心にとめて、これからも取り組んでいきます」。「Play with Colors」にもその思いが込められている


篠崎:今回、「Play with Colors」のカプセルコレクションに合わせて、千駄ヶ谷店のカフェではデミーのニューヨークの思い出の味を再現した特別メニュー「Demy’s Café」が7日間限定で楽しめす。


デミー:私がファッションスクールを卒業した90年代は、ニューヨークには小さなデリやコーヒースタンドがたくさんありました。朝、多くのニューヨーカーが仕事に行く前に朝食をとるために、コーヒーとベーグルを求めて長い列ができていました。社会人になりたての私にとって、上司が出社する前のコーヒーとベーグルとの時間は、忙しい一日が始まる前の最もリラックスできる特別な朝のひと時でした。トーストした温かいベーグルに溶けたバターが染み込んで、とにかくおいしかった。今でも大好きですが、 とてもノスタルジックです。


篠崎:そのベーグル、おいしそう!


デミー:残念なことに、こうした小さなデリやコーヒースタンドのほとんどは、今では姿を消してしまいました。 またベーグルは炭水化物を多く含むため、ダイエットを気にする人にとってはNGの食べ物となりました。 昔は、炭水化物の話なんてしなかったのに(笑)。時とともに身の回りのさまざまなものが変化していきました。しかし、思い出は常に残るものです。 コーヒーとベーグルは、私のソウルフードとして90年代の最も好きな思い出のひとつになるでしょう。



久しぶりの対面にいつまでも笑顔が尽きない二人。話題はデミーさんのニューヨークの思い出の味にも。千駄ヶ谷店のカフェではデミーさんのソウルフードが限定メニュー「Demy’s Café」として登場。5月12日(金)から18 日(木)まで「ベーグル」と「マンハッタンクラムチャウダー」が楽しめる


篠崎:「Demy’s Café」には「ベーグル」さらに「マンハッタンクラムチャウダー」も登場しますが、こちらも楽しみですね。最後にロンハーマンのお客様へメッセージをいただけますか。


デミー:「本当に心からありがとうございます」と言いたいです。日本のお客様は特別です。私の服を愛してくださり着てくださり、心から感謝しています。


篠崎:本日はありがとうございました。久しぶりにお話しができて、とても楽しかったです。



Profile
デミー・リー Demy Lee
「DEMYLEE」のファウンダー、デザイナー。15歳で家族とともに韓国からニューヨークへ移住。世界でも屈指のファッション・アート専門の美術大学、パーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、メンズのハイブランドでニットデザイナーとして活躍。2007年、独立して自身の名前を冠したニットブランドを創立。過去のインタビューはこちら。

The Innerview 06 : Demy Lee (DEMYLEE)

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