凛とした美しいパール、そして、暖かな輝きを帯びたゴールド……。繊細だけれども、洗練されたラグジュアリーさも感じさせる「MIZUKI(ミズキ)」のジュエリー。身につけると気分も高まり、日々の暮らしに刺激を与えてくれます。フォーマルでもカジュアルでもデイリーに楽しむことができると、ロンハーマンが日本に上陸して以来、人気のブランドです。
「MIZUKI」は、都会的でクールだけれどもナチュラルなやさしさも漂う、不思議な魅力を持っています。なぜでしょうか。「MIZUKI」を手がけるジュエリーアーティスト、ミズキ・ゴルツさんとお話をして、その理由がわかりました。
6年前、長年住み慣れたニューヨークから、カリフォルニアに移り住んだ「MIZUKI」のジュエリーアーティストのミズキ・ゴルツさん。アーティストとしてさらに成長するための決断だった
日本生まれのミズキさんは、小学生からずっとニューヨークで生活。ファッションとアートが好きだったことから、大学では彫刻を専攻しました。
「ファッションとアートという二つの異なる世界をミックスしたい。ジュエリーって小さな彫刻みたいなものじゃないですか。それをすごくファッショナブルに作りたい、というのが、スタートですね」
大学卒業を間近にひかえたある日、ミズキさんはショッピングモールで知らない女性から声をかけられました。ミズキさんが身につけていたジュエリーはどこで売っているのか質問されたのです。ですが、それは自分が遊びでつくったもの。だったら、売ってほしいと女性。「ジュエリーアーティストとしていける」と自信が生まれた瞬間でした。
「セクシー、繊細、セントラル、モダン」と自分が手がけるジュエリーの特徴を語る。中でも、一番大切にしていることは「着けやすさ」。「日々ジュエリーボックスから出して身につけていただけたら」
以後、20年近くにわたり、ニューヨークのファインジュエリーの一線で活躍。競争の厳しい世界ですが、独創性とセンスあふれる作品で人気に。しかし、6年前に大きなターニングポイントが訪れます。
「ニューヨークはとても素晴らしい都市ですけれども、パワーとエネルギーがすごくあって、スピードも速くて24時間ノンストップなんですよ。クリエイティブな環境ではないな、と感じていて……。アーティストとして成長するためには、環境が全然違うところに行かなきゃいけないな、と考えました。またニューヨークとは違うエネルギーとパワーがある所は……」
そして、カリフォルニア、サンディエゴに移り住んだのです。自宅はビーチのすぐ近く。2階からは海を望むことができ、窓を開ければ波音が通り抜けていきます。
「海は日々、潮の満ち引きがあったり、色が変わったりしますよね。そういう自然に触れ合って、マインドをリフレッシュすることが今の楽しみです」
海の近くで暮らすようになってから、パールが作品のメインに。「一つ一つ異なるので、出合った時にときめきます」。またゴールドは「肌に一番馴染む暖かみがある色」そして「着けやすさ」という理由で14Kを使用
海辺での暮らしはミズキさんに、新しいインスピレーションを与えてくれました。本格的に作品にパールを愛用するようになったのです。
「パールはもう本当、女性そのものだと思うんです。その美しさは、女性の美しさを表しています。女性が一人一人、違うようにパーフェクトなパールもありません。それぞれのパールに出合えた時の、ときめき感をすごく大切にしようと思っています」
パールを主役としたコレクション、「SEA OF BEAUTY」の誕生でした。
「すべてのアートは自分自身を表現しているもの、自分自身のポートレート。自分のライフスタイルやセンスが絞られて形になっていきます」
サンディエゴをベースに創作活動を行いながら、定期的にニューヨークのショールームに通いスタッフとミーティングを。ファッションやカルチャーの世界で、「今、どういったことが起こっているか。どういう流れなのか」を自身で感じて吸収しています。こうして、ミズキさんのコレクションは街と自然のエッセンスがミックスされ、独特な“世界“を生み出しているのです。
ビーチから家へは徒歩1分もかからない距離。日々の暮らしと海がシンクロすることで、作品への新しいインスピレーションが生まれる
「お客様が私のジュエリーを身につけて、何かをすごく感じてくれることがうれしい」と微笑むミズキさん。
「ジュエリーは人生のストーリーブック(物語)を表現できるものだと思うんです。贈る人も受け取る人も、自分へのごほうびでも、ジュエリーを見て、その時の気持ちを思い出します。ジュエリーは一つ一つが人生のチャプター、自分のストーリーがつくれます。すごいパワーを持っているんですよ」
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MIZUKI
Ron Herman Journal
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